おみぃの裏山

アラフィフおみぃの詩のブログです^_^どうぞごゆっくり

中原中也の詩③

こんにちは、春と夏の間を右往左往、戸惑い気味のおみぃです。

 

みなさまはお元気でお過ごしですか?

 

昨年までの三十年余、大きな四季のメリハリがない、かなり温暖な沖縄で、ゆる〜く暮らしておりました。

 

私の住んでいる町は、南九州とは言え、昼間暑くなったかと思いきや夜はひんやりで、体温調節にはまだまだ慣れません(苦笑)

 

「そのかわり」、と言ってはなんですが、四季折々の花々がご褒美としてこの地に与えられてるのかなぁ、なんてのんきに思う日々です。

 

さて、本日は中原中也の全詩集より、未発表詩篇から二つお送りいたしますね。

 

それでは、どうぞごゆっくり(^.^)

 

 

 

「蒼ざめし我の心に」

 

君知るや、廃墟の木魂……

低空に、砂埃りして

中空に、かなしくはとび、

大空に、消えもやするや

 

我は知る、人間の心労を!

我は知る、喜びを、かなしびを

我は知る、額の汗を、

不時の災難を、我は知るなり!

 

嘗て、母に仕えたりし娘(こ)よ、

台所の響きよ、野仕事に疲れし男よ

それら今日、いかにかなりし……

森の木末の、風そよぐのみにして

 

あゝ、忘れよや、わが心、廃墟の木魂……

忘れよや、森の響きを、

忘れよや、物の響きよ、

忘れよや!空の思ひを……

 

(辛いこつた辛いこつた!)

 

辛いこつた辛いこつた!

 

なまなか伝説的存在にされて

あゝ、この言語玩弄者達の世に、

なまなか伝説的存在にされて、

(パンを奪はれ花は与えられ)

あゝ、小児病者の横行の世に!

 

奴等の頭は言葉でガラガラになり、

奴等の心は根も葉もないのだ。

野望の上に造花は咲いて

迷った人心は造花にすがる。

造花作りは花屋を恨む、

さて、花は造花程口がきけない。

造花作りの羽振りの良さは、

あゝ、滑稽なこつた滑稽なこつた。

それが滑稽だと見えないばかりに、

花の言葉はみなしやらくさい。

舌もつれようともつれまいと

花に嘘などつけはしないんだ。

 

中原中也全詩集」角川ソフィア文庫より引用

 

・不時……思いがけない時。

・なまなか……どっちつかずの中途半端な様子。なまはんか。

・玩弄……おもちゃにすること。なぶりものにすること。

・しや(ゃ)らくさい……なまいきだ。こしゃくだ。

 

「標準国語辞典」旺文社より。

 

 

《今日のおまけ》

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奴等の小屋はガラガラになり…

 

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(あら、代わりにこんなものが…)

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(小屋は奪われ、粗品は与えられ)

 

って一体小屋を奪ったの誰よ〜⁉️

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🌸仕方にゃいからおひざに寝るまでにゃ!